加藤唐九郎・重高・高宏 窯ぐれ三代展 @ 智美術館

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東京虎ノ門の智美術館で開催されている「加藤唐九郎・重高・高宏 窯ぐれ三代展」へ行ってきました。これは、陶芸家・加藤唐九郎をはじめとする親子三代の陶芸作品展です。‘窯ぐれ’とは、その昔、尾張・美濃地方で製陶を仕事にする人をそう呼んでいたらしいです。いわば三代続く根っからの焼き物一家と言うことでしょうか。加藤唐九郎さんと言えば、作務衣を着て髭をはやし、土をなめて性質を見極め、、、といった、いわゆるザ・陶芸家というイメージが頭の中に刷り込まれています。美味しんぼに出てくる唐山陶人のモデル(?)という影響もあるかもしれません。しかし日本固有の焼き物が活況を呈した桃山時代の陶器を現代に再現したという功績が最も大きなことなのだろうと思います。今でこそ桃山陶の情報はたくさんありますが、当時はまだきとんと解明された資料もなく、多くの人が競うように桃山陶の研究を手探りでした時代だったようです。そのような時代に加藤唐九郎さんは自ら、瀬戸、美濃の焼き物の窯跡の発掘、陶片の研究、陶器辞典の編纂などをされ、しっかりとした研究による知識にも基づいて製作をされたようです。そんなベースから生み出された器は、志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部・唐津・信楽・伊賀・高麗など幅広く多彩です。今回の展示では、その中から美濃焼(志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部)を主に見ることができます。それぞれに銘のついた代表作です。もぐさ土にたっぷりかかった長石。堂々とした志野茶碗は、基本の中の基本といった印象です。土の行者と自認するほどいろんな土にこだわった器は、同じ志野でも、それぞれの個性を強く表します。また一部展示された唐津の器は、桃山陶の制約から解放され奔放としています。その知識や技法は、今でも語られる贋作事件が、逆説的に再現性のレベルの高さを示しているのかもしれません。三男にあたる重高さんは現在81歳になられるそうですが、現役で作陶されているそうです。写真で拝見しただけですが、風貌は唐九郎さんと見間違うほど良く似ていらっしゃいます。作品も志野をはじめ伝統あるものをお作りなっていますが、形などはやはりご自身の主張ある口造りなどが見られて、その個性を感じるのも面白いです。そしてお孫さんにあたる高宏さんは、現在36歳。大学では油絵を学び、音楽に親しみ、陶芸家を当初は志していなかったようですが、22歳のときの海外放浪を経てからは強く日本を意識して、作陶をはじめられたそうです。家系的に著名な茶碗を生み出してきているので、いろいろな呪縛もありそうですが、当初から茶碗づくりに挑戦され、いまではより斬新さを持つ器を作っておられます。そんな3人の陶芸作品の共通性と個性が3つのゾーンに分かれ、美術館ならではの演出で楽しめます。普段あまり接することのないオーセンティックな焼き物の世界ですが、あらためてひとつひとつの器を見つめると、理屈や知識を超えて新鮮な気持ちにしてくれます。三代に渡って少しづつ変容する桃山陶の解釈。それぞれの活躍する時代ごとに受け継がれる茶陶の世界を感じてみるのも良いかもしれません。


加藤唐九郎・重高・高宏 窯ぐれ三代展
2008年12月6日(土)~2009年3月8日(日) ※月曜休館
11:00~18:00  (入館は17:30まで)
入場料:一般1,300円
菊池寛実記念 智美術館 (東京・虎ノ門) ※ホームページ

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※加藤唐九郎 (WIKIPEDIA) (イメージ検索
※加藤重高、加藤高宏(イメージ検索
※美濃焼百科(


by sora_hikari | 2009-03-01 07:44 | 見て歩き

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