U-Tsu-Wa うつわ @ 21_21 DESIGN SIGHT

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東京ミッドタウンの敷地内にある21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「U-Tsu-Wa うつわ」展へ行ってきました。これは、ルーシー・リィー(陶)、エルンスト・ガンペール(木)、ジェニファー・リー(陶)の三人のうつわを展示する企画展です。三宅一生さんのプロデュースで安藤忠雄さんの会場構成、杉浦康平さんのビジュアルディレクションによるものです。ルーシー・リィーさんは今や大変著名な方ですが、元々日本で最初の個展を1989年に企画して紹介したのは、友人であった三宅一生さんなのだそうです。今回の展示では、安藤さんの大胆なディスプレイにより、白石の上にエルンスト・ガンペールさんの木の作品、水面の上にルーシー・リィーさんとジェニファー・リーさんの作品が点々と浮かぶように展示されています。また会場のスクリーンには3人の製作プロセスが垣間見れる映像が流れていて、製作に興味がある方には貴重かもしれません。ルーシー・リィーさんの作品は、繊細にゆらいだフォルムに細い針で線刻した器、シリコン炭化物を混ぜ溶岩のように気泡が出た力強い器、釉薬を溶け合わせた彩のある器など多彩な表情をした器が並びます。また戦時中に生活の為に作り続けたという陶のボタンもたくさんに見ることが出来、多様な釉薬調合の原点を知ることができます。エルンスト・ガンペールさんの器は倒木や流木を木工ろくろで成形して、生木を乾燥させることでゆがませ、うねるようなようなラインを出した木の器が印象的でした。ジェニファー・リーさんは、土に金属酸化物を混ぜて、それを手びねりで成形し、表面を丹念に磨いたり削ったりすることで土の色が混ざり合い、古代のインディオの文明に影響を受けたという彫刻のような器が特徴的でした。年代も出身も異なる方ですが、3人のうつわに共通するのはギリギリまで追い込まれた緊張感のある形や素材感のように思いました。そしてうつわが包み込んで生まれる小さな宇宙空間。展示演出によって器を1点1点近づいて見ることはできませんが、ダイナミックな空間構成のなかで、3人のU-Tsu-Waが作り出す宇宙を体感的に浴びるのには良いかもしれません。

※会場内は撮影禁止でしたので、他サイトに掲載された内容へリンクさせて頂きます。
 ・ブルータス副編集長 鈴木芳雄さんのブログ(会場写真)
 ・excite ism コンシェルジュの記事(陶のボタン写真一部)
 ・ルーシー・リー(画像検索) / エルンスト・ガンペール(HP) / ジェニファー・リー(作品写真

※余談になりますがルーシー・リィーさんとジェニファー・リーさんは親子ではありません。RieさんとLeeさん。会場に行くまで勘違いしていたので念の為に補足いたします。


「U-Tsu-Wa うつわ」
ルーシー・リィー / エルンスト・ガンペール / ジェニファー・リー
2009年2月13日(金)~5月10日(日) ※火曜休館
11:00~20:00(入場は19:30迄)
入場料:一般1,000円
21_21 DESIGN SIGHT 東京ミッドタウン敷地内 (東京・六本木)
ホームページ

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※まだ1年以上先ですが、作品が200点展示されるルーシー・リー展が開催されるようです。

「ルーシー・リー展」
2010年4月28日(水)~6月21日(月)
新国立新美術館 ホームページ
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by sora_hikari | 2009-02-15 00:28 | 見て歩き

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