美濃 新たなこころみ @ 日々

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銀座の日々(にちにち)で開催されている「美濃 新たなこころみ」展へ行ってきました。美濃とは岐阜県東南部の土岐、可児、恵那、多治見、瑞浪一帯を総称した地域で、桃山時代に瀬戸黒、黄瀬戸、志野焼、織部焼などのやきものを生み出した伝統的な地域です。現在も産業用の焼き物の生産では全国で高いシェアを有するところです。そういう土地柄のなか、伝統を守った焼き物を作られる方々がいる一方で、現代の価値観や生活に合った器づくりをされている若い作陶家も多く在住しています。今回はそんな中から13名の作家が一堂に会した展示会です。昨年の秋に多治見の修道院を使って行われた「試みの茶事~美濃茶会」という企画イベントに集ったメンバーによる東京での展示会が、今回の企画展のベースになっているそうです。今回は、「抹茶碗」を中心にしたものではないそうですが、大きなくくりとして「碗」をベースにしてそれぞれの作家が考える器を展示しており、13人のそれぞれの個性が楽しめる内容になっています。美濃にいる若い作家は、名前の知れた方がたくさんいらっしゃいます。昨年開かれたそのお茶会の他にも、古田織部を主人公にしたコミックの企画によって開催された「へうげもの展」に参加されるなど前向きに活動されている方が多いように思います。現代における美濃という地域の特異なところは何なのを考えると、元来、前衛的であった「今焼き」を生み出してきた斬新さを受け入れる地域性というのもあると思いますし、現在の陶磁器産業を支える材料・技術・経済のベースもあるでしょうし、全国から陶芸家を目指す人々を受け入れる窯業学校のインフラの充実も寄与していると思います。また、そういう環境を背景にした中から、ユーザーやメディアから注目される作家が生まれることで、その周辺へ与える影響も大きいと思います。それは遠い人の出来事ではなくて、同世代の仲間や友人であり、身近な現実として自分もそうありたいと願う向上心が、切磋琢磨する相乗的な意識を生み、経済的な合理性にも繋がっているように思います。今回の企画展に参加した作者の作風は、同地域の作家でありながらもひとつに括ることは出来ません。それは伝統の作法で括られた美濃ではなく、現代の生活にコミットする価値観で括られた美濃というふうに読み解くとある共通項が見えてきて興味深いのではないかと思います。


美濃 ~新たなこころみ~

青木良太
厚川文子
大江憲一
加藤久美子
加藤委
加藤亮太郎
川端健太郎
桑田卓郎
鈴木伸治
鈴木卓
田端太郎
新里明士
長谷川潤子

2009年1月30日(金)~2月5日(木)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)
日々(東京・銀座) ※ホームページ

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by sora_hikari | 2009-01-31 01:15 | 見て歩き

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