2008年 11月 14日
浜野マユミさんの染付の器
東中野 空音、 広尾 ギャラリー旬、 2008年10月
浜野マユミさんの染付の猪口、5寸皿、桃形皿。すきっとした白磁に描かれた軽やかなタッチの染付が綺麗です。筆に迷いがない感じがします。大学で日本画を学び、有田で陶磁器を学んだ経歴を活かし、魅力ある染付の器をお造りなります。有田の伝統を軸にされながら、描かれるモチーフには浜野さんの独自の世界になっています。猪口と皿には日本家屋から外の庭を眺めたような景色の中に蝶が飛び、鳥がとまり、猫が眠る、和の情緒たっぷりの粋な絵柄です。糸きり成形された桃型のお皿は、浜野さんが初期から手掛けておられる定番のものだそうです。桃の艶っぽい形にさらりと引かれた藍色の葉が全体を引き締めています。いずれの器にも高台内に、コウモリの文様が浜野さんの屋号として描かれています。コウモリは漢字にすると「蝙蝠」で中国の「偏福(福が偏って来る)」と音が似ているため、幸運の象徴とされ縁起が良いそうです。そういうげん担ぎも、浜野さんの器の粋につながっている気がします。
by sora_hikari | 2008-11-14 20:55 | 浜野マユミさん