2008年 09月 19日
F/styleの提案 「ZIBA+DESIGN」展
板橋区の蓮根駅の近くにあるfudokiさんで開催されているF/styleの提案 「ZIBA+DESIGN」展へ行ってきました。先月発売された「エフスタイルの仕事」という本を読んだばかりだったのでタイミングよく、F/styleの企画デザインした生活用品の実物を目にすることが出来ました。展示されているのは本でも取り上げられている新潟・山形などの地場の製造会社が作った生活の品々です。足ふきマット、くつ下、和ローソク、籐かご、ニット、風呂敷、ウールのひざ掛け、紙箱など、しっかりした技術に基づきながら、素材を活かした優しいものばかりです。扱うものはいろいろですが、そこには一貫した生活の中での心地よさというトーンで繋がっているように思います。エフスタイルとは、新潟県出身の五十嵐恵美さんと星野若菜さんの女性お二人で作られた新潟にあるデザインユニットです。このお二人の活動のユニークなところは、山形、新潟、長野などに古くからある地場の小さな製造会社と身近なきっかけで知り合い、それぞれの会社の特長を生かした商品を新たに企画デザインしたり、リ・プロデュースしたりしながら、企画・製造・広報・販路開拓・販売まで一貫してこだわりをもってお仕事をされていることです。こう書くと大規模なプロジェクトを手掛けているように思うかもしれませんが、どちらかと言うと、それぞれの取組みは、とても身近で地に足の付いた地道で静かな活動のように思います。地場の産業を支え続けてきた作り手たちのエネルギーの循環をサポートすることが自分たちの仕事と書いておられます。彼女たちの活動を知ると、‘ものづくり’をするということは、必ずしも自らの手で全てを作ることだけではなくて、それを取り巻く周辺の要素を含めて‘ものづくり’であるということを再認識させられます。マーケティングの基礎である4つのP。Product(商品)、Price(価格)、Place(販路)、Promotion(宣伝)。作り手の視点はどうしてもProduct(商品)の完成度に目が向きがちですが、しかしそれが本当の商品になり得るためには、その他の3つのPがうまくバランスしてこそ、使い手(消費者)にコミュニケートできるということ。良いものを作れる地場の人たちとの出会い。その話をしっかり聞き、その良さを自分たちなりに咀嚼して、その特徴を生かせる商品に仕立てあげる。そして、その良さをしっかり伝えていこうとする活動。どういうお店と取引するかの販路づくりや、その商品の良さを伝えるカタログや商品タグ、パッケージづくりなど、トータルに通う二人の思いが、エフスタイルの取り扱う商品から伝わってきます。欲張らずにしっかり、ゆっくり。そして永く。そんないいものに出会えたように思います。
F/styleの提案 「ZIBA+DESIGN」展Ⅱ
2008年9月19日(金)-28日(日)
11:00―19:00
fudoki (板橋区坂下) ※HP
エフスタイルの仕事
五十嵐 恵美,星野 若菜 (著)
アノニマ・スタジオ (2008/08出版) ※Amazon
エフスタイルの商品に付いたタグ
※エフスタイルのホームページ
by sora_hikari | 2008-09-19 22:56 | 見て歩き