盆栽展

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休日に上野の都美術館で開催されている盆栽展へ行ってきました。盆栽のことは詳しく知らないのですが、勝手な先入観で年配の方の趣味、閉鎖的な権威や伝統といったイメージをもっていました。しかし、そういう印象を除いて普通に接すれば、そこにはすごい空間美が存在しています。今回の国風盆栽展は歴史ある展示のようで今回が82回目を迎え、そうそうたる盆栽が270点も並ぶ見応えのあるものです。盆栽のいわゆる見どころと言われる「根張り、コケ順、枝配り」や「鉢」といった鑑賞術があればなお良いのかもしれませんが、そういう蘊蓄を抜きにして楽しめる盆栽の数々です。そこで感じたのは、自然の木々を不自然にぎゅっと圧縮し、人工的に歪められた造形から様式的に自然を演出し直すという、一種逆説的な美的感覚です。日本の伝統の美といえば分かり易いのですが、むしろミニチュアな自然が見せる空間バランス、時間を経た幹や根のテクスチャー、それを取り巻く空気は、伝統というよりもとても現代的な彫刻のようでもあります。木にとっては迷惑な話なのかもしれませんけれど、加工されて生み出された自然の流体には、自然が見せる以上の美しさを鉢のスモールワールドに感じることができます。それは結局は、樹齢何十年、何百年という時間のなかで、加工しようにも人には作り出せない限界を超えた木々の壮大さが根底から伝わってくるからなのかもしれません。会場には大ぶりで仰々しくそのくどさに圧倒されるものが多くありますが、中品・小品と言われる小ぶりの鉢にはさりげない姿があり親近感が湧きます。普段は花器にさりげなく投げ入れた花や草が好きなのですが、たまにはこういう美意識に触れるのも良いものです。

第82回国風盆栽展
2008年2月9日(土)-16日(土)
9:00-5:00
東京都美術館(上野公園)
入場料 1000円
主催:社団法人日本盆栽協会

※盆栽ギャラリー 

by sora_hikari | 2008-02-12 17:46 | 見て歩き

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