2007年 12月 14日
長谷川竹次郎さんの展示
南青山のDee's Hallさんで開催されている長谷川竹次郎さんの展示会へ行ってきました。長谷川さんは、徳川家から続く由緒ある金工茶道具家の方で、今現在も、金工作家として活躍されている方です。茶道具というと格式の高い印象がありますが、長谷川さんの作り出すものは、どこか懐かしく温さのある親しみ深いものばかりです。今回は、長谷川さんが、二人の娘と息子が成長していく中で、年ごとに作り続けてきた贈り物の展示と、お茶道具などが展示されています。この贈り物は、普段の仕事が終わった後に、父として子供にむけて、こつこつと愛情を込め、楽しみながら作り続けてきたものだそうです。鳥やカブトムシのモビール、ウルトラマンの食器、船、お雛さま、ままごとセット等々。それは子供が20歳を迎えるまで続き、最後の贈り物が、お茶道具のセット。それは茶道具作家の父として子供を送り出すためのメッセージだったように思います。展示されているどれもが、その世界に入り込める物語を持っていて、まるで絵本を立体的に表しているようにも感じます。会場では、長谷川さんご自身が気軽にお茶をたたて下さり、ふるまって下さいました。茶という一種独特の世界観のあるものが、決してハレの場だけではない、日常の場でも接することができる、そんな気持ちが伝わってくる暖かい展示会でした。
長谷川竹次郎展 「未来への贈り物」
2007年12月12日(水)~12月20日(木)
12:00~20:00(日曜、祝日及び最終日は18:00迄)
Dee's Hall (南青山)
※今回展示されている「贈り物」を掲載した本が出版されます。
「父の有り難う」 長谷川竹次郎
文・長谷川まみ 写真・小泉佳春
主婦と生活社(2007年12月発刊)
by sora_hikari | 2007-12-14 21:29 | 見て歩き