「カネ利陶料展 陶土製造業の誇り」7/31(土)より

7月31日(土)から始まる「カネ利陶料展」では粘土の販売や相談会を行います。

美濃の土を中心にした粘土を小分けしたパッケージ販売、焼成サンプルを取り揃えて展示します。陶芸家や陶芸に興味のある方向けの粘土の相談も承ります。新しい粘土を試してみたい、今使っている粘土の問題を解決したい、こういう仕上がりの焼き物を目指したい、美濃特有の志野を焼きたいなど様々な角度から粘土の専門家のアドバイスを聞ける貴重な機会です。陶芸家から土に好奇心をもった方まで幅広くご対応します。

写真は採土場の写真(カネ利陶料提供)

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【カネ利陶料の取り扱い粘土】(今回はこの中から50種類程度をご用意する予定です)
1蛙目粘土中目 月明りで蛙の目のごとく珪砂粒が光って見えたことから由来。焼きものを代表する粘土。珪砂を多く含み耐火度が高い。道具土にも使うことができる。
2木節粘土中目 花崗岩が雨水などで風化 溶出 水簸を繰り返し沈殿、蛙目が先にできる。その後雨水などで川下に運ばれ森の木々たちを巻き込んで堆積した二次粘土が木節。
3白泥中目 カオリン、アルミナ成分が多く含まれ耐火度が高い。焼き上がりは白く、焼き肌はヒビが入る表情が特徴的。
4美濃黄土中目 美濃地方の黄土。黄土の中では比較的耐火度が高い。鉄分を多く含み伸びやかな可塑性がある。焼き締めや南蛮土、粉引きの土としても。
5鬼砂中目 天然鬼板が風化して珪砂と粘土混じりの荒粉砕。手触りはほぼ砂状でざくざくとした素材感。可塑性に乏しいが耐火度が高い。
6伊賀黄土中目 伊賀地方の黄土。粘性は少し大人しく、ざっくりとした大胆な削りができる。耐火度は低く、南蛮等に向いている。
7伊賀白土中目 伊賀地方の白土。粗目の長石粒と珪砂粒が半々ザクザクした手触り。粘性は中位で程よく鉄分を含む。灰釉との反応がよく緋色が出易く薪窯と相性が良い。
8古美濃土中目 キメ細やかで、耐火度が低い。S字切れが生じやすく、粘土層の時代背景からも山茶碗に使用されていた土ではないかと考察される。
9 S黄土中目 鉄分は少なめ、落ち着いた橙色。適度な粘性。耐火度が高く、単味で成形が可能。井戸茶碗のような焼きあがり。
10恵那もぐさ 鉄分を多く含み、ふわりと多孔質。粘性は少なく、手びねり成形は難しいが化粧土や塊の強い素材感を楽しめる。耐火度は低いが、焼成後の風合いが独特。
11蛙目30目 ろくろで削りの時、わずかにスジを引く位の粗さ。既存の粘土に粗さの調整としても有効。
12木節30目 木節粘土の30メッシュ。既存の粘土に可塑性を加えたいときにも有効。ベースは白いがクリーム色掛かったわずかな鉄分を含む。
13白泥フレット 白泥原土を石臼でのフレットミル擂りした粉体。ザラザラとした質感は残したまま。様々な形で化粧土としても素材感がある。
14美濃黄土フレット 美濃黄土原土を石臼でフレットミル擂りした粉体。耐火度が高い。可塑性が高く、粘りが強い。鉄の含有量が多いが、鉄粉が少ない。
15鬼砂フレット 鬼砂原土を石臼でフレットミル擂りした粉体。鬼板の砂目がすり潰されている。細かな鉄粉調整に。
16伊賀黄土フレット 伊賀黄土原土をフレットミル擂りした粉体。耐火度が低い。南蛮向き。黄土単味の水簸したものに混ぜるとコシができ中心切れが防げる。
17伊賀白土フレット 伊賀白土原土をフレット擂りした粉体。化粧土として表面にコーティングすることで灰釉との反応が◎粘土の中に珪石と長石が混在し粘性は中ぐらい。
18古美濃土30目 焼成収縮が大きく、耐火度が低い。1150~1200度で焼きしまるため南蛮や山茶碗のように低温で焼き締めができる土。単味ではS字切れしやすい性格。
19 S黄土フレット S黄土原土をフレットミル擂りした粉体。ちりめんが出やすい。耐火度を保ったまま、黄土の調整として。化粧土としても。落ち着いた橙色。
20白絵土 美濃の山の粘土層にある薄い層のカオリン。唯一国産のカオリン、上質で昔から化粧土に使われている。粉が吹いたような「粉吹き」と云われる化粧土。
21下石カオリン 蛙目の層に薄く堆積したもの。化粧土、磁器に混ぜて使うなど面白い使い方を模索できる。在庫限り。
22ロシアカオリン 面白い性格があり使い方は未知数。在庫限り。
23ピンク砂目もぐさ 天然もぐさ原土。ざくざくとした手触り。可塑性はあまりない。ほんのりとした鉄分。耐火度は中くらい、薪窯などに。
24ピンク黄土もぐさ 天然もぐさ原土。ほのかな鉄分を含み、柔らかく明るい発色。単味でも成形できる。薪窯などに。
25ピンクもぐさ 天然もぐさ原土。もぐさ土としては一番上質。耐火度は高い。多孔質な粒子で構成され焼き上りの手取りも軽い。ざっくりとちりめんの削りができる。
26キノセ 長石粒を多く含み、可塑性はほとんどない。石ハゼを期待して、ほかの土に混ぜても良い。単味では磁器のような透光性がある。
27長石粘土 長石に粘りがあり縮れがおきる。釉薬などに添加することで釉薬や化粧としても使える。粘性があるが流動性もあるので単味では成形が困難なため工夫が必要。
28ソーケー 花崗岩が風化してできたもの。砕いてお好みの粗さに調整すると良い。
29ソーダ長石 ソーダ(ナトリウム)分の多い長石。少し乳濁する。
30平津風化長石 カリウム分の多い長石。透明度が高いのが特徴。益田長石とインド長石、大平長石がある。
31志野土 美濃焼きの代表的な粘土。土物の白系土。耐火度が高い。成形がしやすく、あらゆるベース粘土としても。55目。
32志野土弱土 志野土弱口。志野土より若干の焼き締まりがある。土物の白土。食器を作る方に。あらゆるベース粘土としても。55目。
33特志野土 土物ベースで、ろくろで削る際、少しガリっと引っかかる粗さ。土物の食器用としても。手びねり成形に向く。30目。
34荒特志野土 特志野に粗目を加えたもの。20目。
35志野五斗蒔土 志野土ベースで若干サクッとして成形がしやすい。成形しやすい。
36志野五斗蒔黄土 志野五斗蒔土をベースに微粉で発色が明るい鉄をブレンドしている。
37月白細目土 志野土ベースに磁器土をブレンド。土物の素材感がある。ろくろの削り目はほとんど出ない。よく焼き締まり食器に向く。酸化で白く、還元ではややグレーに。
38月白土 志野土ベースに磁器をブレンド。土物の土味を残しつつ、磁器と土物の中間よりやや土寄り。30目。
39月白荒目土 月白土をベースに20目蛙目をブレンド。月白土より粗目。
40月白特荒土 月白土をベースに珪砂をブレンド。月白荒目土より粗目。
41ニューホワイト 真っ白な土物で、カオリンベース。耐火度が高い。多少の吸水性があり、食器に使うには工夫が必要。白さを利用したオブジェなどに。
42上磁器土 手作り成形に向いた、コシと粘りのある磁器土。
43白磁土 手作り成形に向いている。白さが特徴の白磁であるが、ほんのりと土物の雰囲気を残す。
44美濃炻器土 印象は炻器土に近い。よく焼き締まり、食器に向く。
45備前白土 暗めの黄土色の焼き上がり。ざらりとした質感でよく焼き締まる。
46山吹土 滑らかで伸びやか。美濃炻器土よりも少しトーンが明るい。
47小豆土 細かく滑らかな質感の赤土。耐火度中くらい。
48荒小豆土 ろくろでの削りで、少しスジを引く粗さ。食器に向く赤土。小豆土より耐火度高め。プレート皿向き。
49南蛮土 黄土ベースの赤土。焼き締めにも。耐火度低め。
50黄土単味 シンプルな黄土。南蛮としても。耐火度が低め。単味では、細かい黄土の特徴でもあるS字切れが生じることがある。原土を篩いブレンドすればS字切れは防げる。
51三島土 柔らかい発色の赤土。志野土ベースに褐鉄鉱を多く入れた耐火度の高い土。三島土のように細かい象嵌が向いている。
52恵夢土 少し粗目の赤土。耐火度は低め。焼き締めにも使える。成形時にコシもあり、初心者の方にもおすすめ。
53絵有土 チョコレート色位の、鉄分が多い赤土。粉引で還元焼成するとシバリングがおこりやすく、酸化向き。焼き上がりが、酸化でも還元雰囲気で焼ける。
54胡桃土 耐火度が高め。ざくざくと粗い質感の赤土。酸化でも還元雰囲気で焼きあがる。
55栗皮土 キメも粗く、鉄分も多く含まれる赤土。還元焼成だと形が保てない。焼き上がりが、酸化でも還元雰囲気で焼ける。
56特黄土 水酸化鉄ベースの明るい発色。耐火度高めの赤土。1200℃程の少し低めの焼成でテラコッタのような明るい赤土。薪窯の火前で南蛮土より明るめの焼き締めができる。
57炭化黒土 マンガン入りのため、炭化焼成のような発色が期待できる。30目の粗さ。
58練込黒土 下絵黒顔料を使用した黒土。細かく滑らか。耐火度は中くらい。
59特黒土 カオリンベース。鉄分が多いが、シバリング対策がしてあるため還元焼成でも。黒目の粉引きとしても◎素地と化粧の白さとコントラストが期待できる。
61ヒシヤ中目 耐火度は黄土としては中くらい。 鉄粉などの雑味がある。

カネ利陶料展 陶土製造業の誇り

2021731日(土)~88日(日) 

11時~18時 最終日は17時迄

在廊日

7/318/1 岩島利幸・日置哲也

8/78 日置哲也

ギャラリーうつわノート

埼玉県川越市小仙波町1-7-6


【展示会の内容】

1)カネ利の陶土の販売(約50種)

2)カネ利の土を使った作品展示

日置哲也 松永圭太 白石陽一 平野日奈子 額賀円也 岡野里香 畑中咲輝

3)土の相談会

7/31(土)、8/1(日)、8/7(土)、8/8(日) 

岩島利幸氏と日置哲也氏による陶芸家向けの粘土の相談を承ります。営業時間中にフリーでお受けしますが、予約をご希望の方はメールにてお申込みください(utsuwanote@gmail.com




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by sora_hikari | 2021-07-27 17:38 | カネ利陶料展

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