「 小野哲平展 塊は魂 」土の柱・泥の箱

小野哲平展 塊は魂 」(~4/30迄)の4日目。

本日より展示物をタイプ別に分けて解説します。

まずは「土の柱」や「泥の箱」と名付けられた作品についてです。これらは今回最も「うつわ」と離れた造形物です。それは形、作り方、仕上げが、小野さんの通常のうつわづくりと異なるからです。

直方体の土の塊。粗い粘土を木枠に押し込み、無垢の状態にした塊から中身を刳り出しています。板づくりと違い、一旦、土を圧縮して塊にすることで、無垢材のような強さが保たれています。重量感のあるマッス。それは、「2001年宇宙の旅」で神の象徴とされたモノリスのようでもあり、石碑や石棺のような古代遺物のようでもあります。

さらにその多くの表面が焼成後に削り出されています。釉薬を削いで、その奥に隠れた土の姿を露わにすることで、このテクスチャーを得ています。無釉の焼締めとはまた異なる表情です。

型に嵌め、矩形化されたフォルムに、焼いた土の奥を露出させる。ろくろによる揺らぎ、釉薬による色と質感、そして薪窯によって生れる自然性の受容。通常の小野さんの「うつわ」づくりのプロセスの対極を敢えて選び、彫刻的アプローチをしたと考えて良いでしょう。

これは自然性を有する「うつわ」の対極に置くことで、その人為的「モノ」に客観性を与える共に、小野さんの陶芸の出発点とも言える鯉江良二さんの自由造形とは逆説的な形状を選ぶことで、その呪縛から解放されるようにも見えます。

あくまで小野さんが作り続けてきた「うつわ」という文脈から発した言葉だと思うのです。哲平さんの意志が塊として形象化したと見れば、分かり易いと思います。軽やかになり過ぎた現代の工芸品に対するメッセージ。いやそんな安易な解釈よりも、凝縮され焼き固められた、もの言わぬ「物体」と、観賞者の間に交わされる饒舌な言霊によって、その意味は付加されることでしょう。

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小野哲平展 「塊」は「魂」
2017年4月22日(土)~30日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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小野哲平プロフィール
1958年   愛媛県松山市に生まれる
1978~80年 岡山県備前にて修業
1980~81年 沖縄県知花にて修業
1982~84年 常滑にて鯉江良二氏に弟子入り
1985年   愛知県常滑市にて独立
1998年  高知県谷相に移住
2017年 現在、同地にて作陶


by sora_hikari | 2017-04-25 22:09 | 小野哲平2017

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