「 佃 眞吾展 我谷木工・林竜人さんを偲ぶ 」 工芸とクラフト

佃 眞吾展 ~我谷木工・林竜人さんを偲ぶ~ 」(~7/18日(月・祝)迄)を開催中です。

彫文入りの栗三段重、塊の木を刳った大きな櫃(ひつ)、一文字を象形化した組み盛器。今の時代にあっていずれも重厚で存在感のある作品です。時代を超えた木工作品を作る姿勢が、佃さんのぶれないところです。

「工芸」と「クラフト」。「工芸」は古典的要素を踏まえたもの、「クラフト」は日常生活を中心にするものと言えるでしょうか。今の時代はクラフト分野(生活工芸)の技術もセンスも上がり、その境界は曖昧になっていますが、目指す方向によって流通先が分かれていることは確かにあります。

佃さんは、本来「工芸」のフィールドで修行を積んで来られた作家ですが、独立してからは「クラフト(生活工芸)」に近い場で発表される機会が多かったと思います。近年は日常木器と同時に、徐々に工芸的要素を強めた作品にも軸足を向けつつあるように思います。

クラフト(生活工芸)全盛の時代に、楔(くさび)を打つような形で現れた佃さん。どちらか一辺倒ではなく、この硬軟自在な立ち位置が、佃さんの面白さだとと思います。「クラフト」と「工芸」の垣根を越えた活動。その融合の大切さを気づかせてくれるのです。

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 栗三段重(拭漆) 幅260 奥行き195 高さ200mm

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 欅櫃 幅350 奥行き240 高さ190mm

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 栗八角櫃 幅260 奥行き260 高さ190mm

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 栗 一文字盛器(三ッ組) 幅400 奥行き300 高さ50mm(1つ)


佃 眞吾展 ~我谷木工・林竜人さんを偲ぶ~
2016年7月9日(土)~18日(月) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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佃 眞吾(つくだ・しんご) 経歴
1967年 滋賀県長浜市生まれ
1990年 京都にて家具職人として働く
1992年 職人の傍ら「黒田乾吉木工塾」に通い木漆一貫仕事を学ぶ
1995年 京都 井口木工所にて家具・指物職人として働く
2004年 京都市梅ヶ畑にて独立
2015年 現在、同地にて制作。国画会工芸部会員

林 竜人(はやし・たつんど) 経歴
昭和七年生れ  平成三年没
石川県大聖寺出身


by sora_hikari | 2016-07-16 18:14 | 佃眞吾展

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