パナリ焼展 @ 箱根

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箱根 菜の花展示室で開催されている「パナリ焼展」に行ってきました。パナリとは、沖縄 八重山諸島にある新城島(あらぐすく)で17世紀から19世紀に作られた野焼きの土器。実際の製作の経緯は謎とされますが、島ゆえの雨水甕をはじめ、穀物などの貯蔵、そして蔵骨器として使われたようです。その時代から言えば、既に本土では釉薬の施された焼き物が作られていた時期ですから、地元で賄える材料で作り、生活に密着した用具だったのだろうと思います。土の中にはシャモットの用途でもあったろう夜光貝の粉末が混ぜられていて、それが焼けた土に独特の表情を生み出しています。重力を自然に受けたようなくたっとした緩やかなフォルム。丸底のころんとした円やかな表情。作為の全く抜けたところに、なんとも言えない存在の美しさがあります。展示品のほとんどは、当展示室のオーナーの個人コレクション。その数がまとまったことを契機に、内田鋼一さんの後押しで実現した展示会です。これだけ優良なパナリが一堂に会して見られるのは、貴重なことだろうと思います。本展に合わせて作られた図録、そしてパナリ焼の製作過程を再現したフィルムを新たにおこしたDVDなど、主宰者の強い思い入れを感じる展示会でした。

パナリ焼展 琉球弧の風
2013年8月24日―9月8日
箱根 菜の花展示室
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by sora_hikari | 2013-09-10 15:30 | 見て歩き

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