南宋の青磁 @ 根津美術館

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南青山の根津美術館で開催されている「南宋の青磁」展に行ってきました。南宋は12世紀~13世紀の中国の王朝。北宋時代の定窯の白磁のとともに、南宋の青磁の昇華は中国陶磁史のなかでも技術的な完成に達した時代だと思います。この展示会は、南宋の龍泉窯(りゅうせんよう)で作られた青磁が中心に展示され、南宋官窯の名品も加え、国宝2点・重要文化財7点を含む65点を見ることができます。鉄分を含む釉薬を還元焼成することで生まれる青い色。当時は陶磁器よりも格上であった玉(翡翠)を模したものであり、青銅器を型取ったものであったそうです。今回展示されている青磁は瓶・盤・碗・香炉など置かれています。当時の皇帝のために青磁を焼いた汝窯(じょよう)に対して、量産窯であった龍泉窯には輸出用の青磁もあり、それらが当時鎌倉時代の日本に輸入され、その後、美しい釉色のものが砧青磁(きぬたせいじ)として珍重されたのだそうです。同じ青でも濃い青緑から透明感のある青色まで幅のある色合いや、きめ細かい肌のもの、氷裂した貫入など興味深く見ることができました。本展は陶磁史の流れにおいて見ることにも意味があるでしょうし、予備知識なく自身の器観から触れても楽しめる内容だと思います。


南宋の青磁 ~宙をうつすうつわ~
2010年10月9日(土)~11月14日(日)
10:00~17:00 
月曜日休館
入館料:一般1200円
根津美術館(東京・南青山) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-10-24 22:07 | 見て歩き

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