ロベール・クートラス展 @ Gallery SU

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飯倉のGallery SU(エスユウ)で開催されている「ロベール・クートラス ~僕の夜~」展に行ってきました。まず、このGallery SUの事。10月10日にオープンしたばかりのギャラリーです。銀座のギャラリー無境(現在は閉廊)におられた山内彩子さんが新たに主宰されるギャラリーです。飯倉片町交差点近くにある和朗フラット四号館()という築70年になる素敵な洋館にあります。次に本題であるローベル・クートラスの事。ロベール・クートラス(1930-1985)の作品は今回はじめて目にしました。パリに生まれ、リヨンの美術学校で学び、現代のユトリロと呼ばれるパリ派的な絵画を描いていたけれど、やがて所属の画廊からの画風を断って、ひたすらカルトと呼ばれる手札大のカードに絵を描き続けたのだそうです。6000枚にも及ぶタロットカードのようなカルトは、拾ってきたボール紙を使い、壁用の塗料で硬くした上に、油絵の具で描いたのだそうです。経歴()を知ると、とても内向的で自分に向かって作り続けていたようです。今回の展示会では、そんなクートラスのカルト作品や、ストーブで焼いて作ったという粘土作品などを見ることができます。題材は人の顔をした昆虫や鳥、植物、抽象、文字などで宗教的なものではありませんが、その作風は、ロマネスク絵画()のように平面的で静的な印象です。それらは、世間の評価とは関係なく毎夜日記のように描き続けられた、とても個人的な世界観。まるで自分の夢を記録として綴った叙情的な体験の記録のようにも見えます。今回の展示会のタイトルにもなっている、カルト作品群を指して「僕の夜」と呼ぶのは、そんな所以のように思います。本展では、展示作品の販売に加えて、クートラスの作品集も発売されています。また同時期に青山のCOW BOOKSや銀座のPOSTALCOでもクートラスの油彩やドローイング作品も展示されるそうです。あまりスポットのあたることがないクートラスの作品を、こけら落しに取り上げたGallery SU。ギャラリー名であるSU=エスユウは、素(ス)とも読める名前です。美術も工芸も骨董も境目なく暮らしの中のアートを紹介してきた無境で培ってこられた山内さんが、今後どのような「素」な目線で紹介していかれるのか、とても楽しみです。


ロベール・クートラス ~僕の夜~
2010年10月10日(日)~30日(土)
12:00~19:00 (10/10,11,16,17は12:00~17:00迄)
月曜定休
Gallery SU (東京・麻布台) ホームページ

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※他のクートラス展会場

COW BOOKS南青山  (油彩の作品の展示)
会期/2010年10月13日(水)〜11月3日(水)
時間/12:30–21:00 無休
東京都港区南青山3-13-14 2F
ホームページ

POSTALCO  (ドローイング&カルトの展示)
会期/2010年10月13日(水)〜2011年1月8日(土)
時間/水〜金12:00–19:00・土12:00–18:00
日・月・火・祝休
東京都中央区京橋2-2-18 北原ビル4階
ホームページ



ロベール・クートラスの作品集 「Mes Nuits 僕の夜」
発行:エクリ
発行日:2010年10月12日
価格:2500円
購入ページ(エクリ内)

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by sora_hikari | 2010-10-11 17:48 | 見て歩き

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