2010年 01月 05日
台所用具展 ~日野明子さんの仕事~ @ STARNET
栃木県益子町にあるスターネットで開催されている「台所用具展 ~日野明子さんの仕事~」へ行ってきました。この展示会は、ひとり問屋を標榜する日野明子さんが選んだ台所用具を展示販売する内容になっています。鉄瓶、しゃもじ、容器、箸、わっぱ、ポット、まな板、おろし金、おたま、鍋、フライパン、鍋敷き、たわし、ほうき等々。全国のいくつかの製作所の職人さん達によって作られた良品が並んでいます。どれも使っていくうちに段々と愛着が増していくような、しっかりと付き合えそうな道具ばかりです。これらを選んだ日野さんは、クラフト、器関係者には良く知られた方です。学生時代に工業デザイナーの秋岡芳夫氏に影響を受け、松屋商事でクラフト関連の仕事を経験。その後、ひとり問屋、スタジオ木瓜を設立し、作り手と売り手、売り手と使い手を繋ぐため、日々全国を飛び回っておられます。器の展示会に行くとたまにお会いすることがありますが、いつもお忙しそうで、挨拶もそこそこに風のようにビューンと行ってしまう姿が印象的です。それは、多くの作り手や製作所を自ら訪ね歩き、その技術や姿勢を学び、それをいろいろな人に受け渡しているから、どうしても日々お忙しくなるようです。実際のお仕事については、あまり個人名を表に出されないので詳細までは分からないのですが、生活道具のひとり問屋業以外に、例えば、クラフト関係のイベントの企画であったり、雑誌の特集記事のコーディネイトであったり、器に関する書籍を出版されたりと、マルチにご活躍されているようです。いわゆるこの業界のプロなのですが、そこには自分の眼によって選んで納得のいく、手の技術、手の温もり、作り手の姿勢に対する一貫したクオリティを求めているように思います。そのためには、経済的な側面から生活道具を追うのではなく、あくまで良い物を仲介したいという思いの方が優先されているところに、日野さんに寄せられる信頼があるように感じます。そんな日野さんのお仕事を、これからもいろいろと見て見たい思いにさせる展示会でした。
台所用具展 ~日野明子さんの仕事~
2010年1月2日(日)~1月11日(月) ※1月7日(木)は定休日
11:00~18:00
STARNET ARK 2F ギャラリー遊星社 (栃木県益子町) ホームページ | ブログ
日野明子さんの執筆の著書「うつわの手帖」です。これは2008年出版の「お茶」にまつわる器の本。今春には第二弾の新刊が出る予定とのことです。
うつわの手帖 (1)お茶
日野明子著
出版社: ラトルズ (2008/04) Amazon
by sora_hikari | 2010-01-05 23:06 | 見て歩き