パリに咲いた古伊万里の華 @ 庭園美術館

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目黒の東京都庭園美術館で開催されている「パリで咲いた古伊万里の華」展へ行ってきました。これは、日本の磁器が江戸時代(1659年)にオランダの東インド会社によって欧州へ輸出されてから350周年を記念した展示会になっています。当時、磁器がまだ開発されていない欧州の国々にとって、洗練された装飾性のある磁器は憧れのものでした。当初は、中国の景徳鎮からの輸出のものが中心でしたが、清朝の内乱によって中国からの輸出がストップすると一気に日本から磁器の輸出量が増え、各国へ広まっていったそうです。日本の磁器は、桃山期の朝鮮出兵によって拉致されてきた陶工によって有田で開発されたのが1610年頃ですから、当時はさほど歴史も技術もなかったと思うのですが、欧州からの注文、そして中国磁器との貿易競争から、日本の磁器の製造力は大きく飛躍したのだと思います。そんな歴史を振りかえるうえで、この海を渡った日本の古伊万里の数々を興味深くみることができます。展示されているのは、1660年~1750年までの期間を4つに区分して、それぞれの時期の代表的な古伊万里を見ることができます。芙蓉手の染付、日本の独自の柿右衛門、豪華な色絵である金欄手など、技巧の粋を集めた磁器作品はまばゆいばかりです。このような過剰とも思える装飾は、やはり中国商品への対抗もあったでしょうし、注文主である欧州貴族などの顧客からの要求でもあったのだと思います。欧州各国へ輸出された古伊万里は、オランダのデルフト染付やドイツのマイセン磁器の開発に大きく影響をもたらしていますし、各国の宮殿にも陳列され、フランス宮廷から広まったロココ様式にも影響を与えたと言われています。歴史を楽しむのもいいですし、装飾性を楽しむのも良いと思います。またより生活に近い食器・酒器などの実用品を見るのも楽しいです。日本のアールデコ建築として知られる旧朝香宮邸である庭園美術館のなかで見る古伊万里は、その絢爛さを一層その空間が見る者を魅了してくれるように思います。


「パリに咲いた古伊万里の華」 ~日本磁器ヨーロッパ輸出350周年記念~
2009年10月10日~12月23日
10:00~18:00
休館日:第2・4水曜日
入館料:一般1000円
東京都庭園美術館 (東京・目黒) ホームページ

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[図録に掲載された陳列品の一部]
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by sora_hikari | 2009-10-22 23:37 | 見て歩き

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