中国の陶俑 @ 出光美術館

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東京・丸ノ内にある出光美術館で開催されている「中国の陶俑 ~漢の加彩と唐三彩~」展へ行ってきました。陶俑(とうよう)とは、陶土で作られた副葬品。人(俑)や家畜や家屋などを模して作られた焼き物製の彫塑です。陶俑が作られる前は、高貴な人のお墓には高価な道具や生身の殉装者が一緒に埋葬されていたそうなのですが、それに代わるものとして紀元前5世紀ころからその代替品として使われるようになったのだそうです。陶俑といえば世界遺産にもなっている兵馬俑が有名ですが、今回の展示品は兵隊とは異なり、より生活者に近い姿のものが中心になっています。当時は死後も生前と同じような暮らしをすると信じられたため、一緒に副葬された品々は、その頃の暮らしを写したものが多いのだそうです。展示品は、漢時代から始まり、隋・南北朝を経て、全盛期の唐の時代の陶俑が並んでいます。従者となる人物像を始め、家畜、建物、騎馬像、そして壺や鉢などの器を時代順に見ることが出来ます。また展示会のサブタイトルになっている「漢の加彩と唐三彩」ですが、これは当時の焼き物の技法のことで、「加彩」は灰陶加彩()と言われる焼き締めた陶土の上に色を塗った仕上げ方のこと、そして「三彩」()は文字通り、茶・緑・白の三色の釉薬による仕上げ方のことを表しています。展示された陶俑は静かな表情や姿が美しく、中国陶器の表現力や技術の高さを感じます。また唐時代に全盛を迎えた「唐三彩」()の器の数々にも目を奪われます。褐釉の茶色、緑釉の緑色、そして透明釉の白色。具象的な絵柄ではなく、釉薬の流し掛けから生まれる色の滲み模様は、抽象的な絵画のような美しさを見せてくれます。中国陶器の中でも古い時代の品々ですが、あらためて懐の深さを感じさせられる展示会でした。

※会期が始まったばかりで展示の様子を紹介したサイトがないようですので、図録に掲載されているものを一部ご紹介いたします。

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中国の陶俑 ~漢の加彩と唐三彩~
2009年8月1日(土)~9月6日(日) ※月曜日休館
10:00~17:00 (金曜日は19:00迄)
出光美術館(東京・丸の内) ホームページ

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出光美術館内には、焼き物の「陶片」が揃った展示コーナーが併設されています。ここでは陶磁研究で知られる小山冨士夫氏と三上次男氏の収集した国別、時代別の「陶片」を見ることが出来ます。直接手に持つことは出来ませんが、ガラス一枚を通しただけの引き出しの中に置かれていますので、かなり間近で見れるようになっています。器づくりをされている方には技術的な視点からも貴重な展示物だと思います。

陶片コーナーの紹介ページ


by sora_hikari | 2009-08-02 23:18 | 見て歩き

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