染付 展 @ 東京国立博物館

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上野にある東京国立博物館の平成館で開催されている「染付-藍が彩るアジアの器」展へ行ってきました。これは、白磁にコバルトの青で模様が描かれた「染付」の器の歴史をたどった展示会になっています。館内には、染付の先駆けである中国をはじめ、そこから伝わっていったベトナム、朝鮮、そして日本の名品がずらりと並ぶ内容になっています。普段に気になる染付の器といえば、李朝の白磁や、安南、初期伊万里、印判手など、それも下手物と言われる粗製の侘びた雰囲気のものばかりなのですが、この展示会では、威風堂々とした本流の染付の器が数多く選ばれています。中国の景徳鎮窯で焼かれた染付は、シンメトリックで精緻に描かれた絵柄で、これぞチャイナという気がします。中国で染付が完成したのは14世紀の元の時代。日本は鎌倉、室町頃で、陶器といえばまだ無釉の焼〆や、施釉陶器もまだ多くは作られていない頃。そもそも8世紀頃の唐の時代には既に白磁の器が作られていたことを考えると、当時の中国の焼物の先進性には驚きを感じます。その中国から派生して、ベトナム、朝鮮、そして日本へ。日本には朝鮮を通じて17世紀の江戸初期に有田で伊万里焼としてようやく国産の染付が定着したそうです。今まで大まかに、それも断片的な知識しかなかった染付の器を、系統立てて概観するのに良い企画展示だと思います。国別に異なる染付の模様や形の違いだったり、「古染付、祥瑞、呉洲染付」など、素人には違いが分かりづらいものも、目で見て理解することができました。元々、「染付」という言葉は、着物の藍染めの色からの言葉なのだそうです。中国では「青花」。欧米では「ブルー&ホワイト」。白地に青の色合いは、清涼とした美しさがあります。また自然界の食材には無い色なので、模様が複雑であっても器に盛り付けた際に、料理が映え易いというのも多くの世界に広まった理由のひとつのように思います。歴史を知るのも、藍色の美しさに見とれるのも、しっかりとまとめて染付を味わってみたい人には良い展示会だと思います。

※館内は撮影禁止でしたので、写真を掲載されている方へリンクさせて頂きます。どちらも美術館、博物館のレポートがとても充実しているブログです。

弐代目・青い日記帳・7月14日付
ミュージアムカフェ ブログ・7月16日付



染付-藍が彩るアジアの器
2009年7月14日(火)~9月6日(日)  ※月曜休館(8月10日は開館)
9:30~17:00  (金曜20:00迄、土日祝18:00迄)
東京国立博物館 平成館 (東京・上野公園)
ホームページ 

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by sora_hikari | 2009-08-02 00:35 | 見て歩き

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